2019年1月ごろ、たまに39芸夢の手伝いをしてくれる宮崎さんが
「こんな大喜利ゲーム、どう?」と言って、
「乱キング王国(2019年4月)」の原案を持ってきました。

それは「正体隠匿でランキングをつける」という、
『カタローグ(2014年)』や
『どうぶつオリンピック(2015年1月)』や
『私の知らないあなたの隣人(2017年11月)』
のような「秘密のランキング」システムで、
今でこそ『カンジョーブギョー(2019年11月)』や
『ギリオーギリ(2020年2月)』などがありますが、
「正体隠匿×ランキング×大喜利」というアイディアは
たぶん宮崎さんが僕のところに持ち込んだのが最初だと思われます。
先制点の大手柄!
(全てのゲームをチェックしているわけではないので分かりませんが、
非常にナイスな組み合わせ技です。)

ただ、そのゲームは「大喜利のお題に対して、1位からビリまで秘密のミッションが配られ、親がそれらを全て順位通りに並べられたら全員勝ち」という協力ゲームで、
「ただの大喜利のお題だと、なんとなく【面白い】が評価の基準になってしまい、ランキングがつけにくいし、ずっと【面白い】が評価基準だと最初は面白いけど、結局、大喜利得意な人が美味しいだけだし、大喜利が苦手な人は飽きがきてしまうかも」
「協力してクリアできる確率が人数やお題によって高くなりすぎたり低くなりすぎたりしてゲームバランスに難がある」
「1位とビリの人が簡単すぎて、フェアな感じにならない」
という大きな問題がありました。

でも、「非常に良いアイディアだし、このままにしておくには惜しい食材だ」と思ったので、
「ベストワードクラブのように、【怖い】や【かわいい】など、色んな形容詞を赤文字にして基準にしよう。ランキングの基準になるし、大喜利というよりもワードゲームを遊んでいながら珍解答が生まれ、飽きがこないから。」
「協力ゲームではなく、個人戦のポイント制にして、正解したら親にも子にも点が入る、部分的な協力ゲームにしよう。」
「どうぶつオリンピックのように、1位とビリのミッションはなくして、みんなで真ん中の順位を目指す、変なゲームにしよう。」
などと提案してテストプレーを繰り返すうちに、
「乱キング王国」の原型が生まれました。
そして、「これは、いいものだ!」と確信し、
その場で「39芸夢から出しましょう」と即決しました。

宮崎さんはパソコンを持っていないので笑えるお題を考えてもらい、
僕はルールやデザイン、コンポーネントや宣伝文句など、
製作部分を考え、売り込みや交渉などを担当することになりました。

お題もルールもコンポーネントも、作っては作り直しを永遠と繰り返し、
手作り感たっぷりながらも、採算を度外視しながら作り上げました。

そうして、意気揚々と「乱キング王国」をゲームマーケット2019春に出展しようとしたところ、寝ぼけていたのか、当日、
ほとんどの売り物を電車の上の棚に置き忘れるという大ボケッ!
実際には、乱キング王国は5個くらいしか売りませんでした。
凹みました~。

それでも、誠にありがたいことに、
39芸夢の作品を見てくれる人は見てくれていまして
「ベストワード」が「ベストワードクラブ」に
一年中未来様から製品化して頂けたように、
「乱キング王国」も「かぐや姫を笑わせて」に
株式会社やのまん様から製品化して頂けました。

「かぐや姫を笑わせて」へのリメイクも
色々と試行錯誤を繰り返す大変な道のりでしたが、
宮崎さんが追加点をあげてくれ、
やのまん様が素晴らしい指揮をとって下さり、
テーマやデザインやルールなどの提案を色々と聞いて頂き、
(「すいません!」「ありがとうございます!」と心の中で何度叫んだことか)
納得のいく作品に仕上がりました。
(大喜利ゲーム制作で「一片の悔いなし!」という大満足感!)

「大喜利ゲーム」「感性ゲーム」「協力ゲーム」
をベースに
お題によって「ワードゲーム」「お絵描きゲーム」にもなるのが特徴で
5つの味を存分に味わえるパーティーゲームです。

また
「中間順位を目指す」「色んな形容詞が基準になる」
によって
「面白い回答をしなければいけない」という
大喜利のハードルが極限まで下がっているのが特徴で
それでいて「無限にある選択肢の中から自分で回答をひねり出す」
という大喜利の醍醐味を味わえ、
大喜利好きも大喜利嫌いの人も十ニ分に遊べるパーティーゲームです。